先日子育てに詳しい方とお話していて、ふと感じることがありました。それは「親の思いやコンプレックスが、知らず知らずのうちに子どもにかなりの影響を与えてしまう」という現実です。
例えば、親自身が勉強やスポーツが苦手だった場合、無意識のうちに「あなたもきっとできないだろう」と思い込んでしまうことがあります。あるいは、自分が経験できなかった夢や希望を、子どもに押し付けてしまうこともあります。「自分のやりたかったことを、子どもには絶対にやらせたい」と思う気持ちは理解できます。しかし、その期待が重すぎると、子どもは自分の意志や得意なことを見つけられなくなってしまいます。
子どもはまだ自分の世界を模索している段階です。勉強の得意不得意、好きなことや興味の方向性は、一人ひとり異なります。親のコンプレックスや未達成の思いを基準にして指導すると、子どもは知らず知らずのうちに「親の期待に応えなければ」とストレスを抱え、学習意欲や自己肯定感が下がってしまうこともあります。
私たち塾講師は、子ども自身の個性や強みを尊重し、目標に向かってサポートすることを心がけています。だからこそ保護者の皆さまにもお願いしたいです。子どもには、親の思いや未達成の夢ではなく、子ども自身の夢や興味を育てる時間を与えてほしい、と。
もちろん、親が夢を語ったり励ますことは大切です。しかし「こうしなさい」「こうなれ」という押し付けは、子どもの可能性を狭める危険があります。大切なのは、子どもが自分の力で選び、挑戦し、失敗も成功も経験できる環境を作ることです。
子どもは親の期待に応えるために生きているわけではありません。
子ども一人ひとりの可能性を広げてあげる。それが、親ができる最大の愛情です。自分の夢ではなく、子ども自身の夢や興味を応援してあげること。それこそが、子どもが本当に輝くための道です。