すぐに伸びなくても、「信じて待ち続けた時間」が、未来をつくる。
彼が塾に来たのは中学生の頃です。
当時の成績は、150位前後。
本人のやる気は正直感じられず、塾に来ても机に向かってはいるものの、心ここにあらず。
「親に言われたから来ただけ」という空気を、全身でまとっていました。
最初の数ヶ月、成績はほとんど変わりませんでした。
やる気がないわけではない。でも、どうしていいかもわからない。
指導する側としても、正直焦りを感じる時期が続きました。
それでも、私たちは決して諦めませんでした。
今はまだ、芽が出ていないだけ
そう信じて、小さな達成感の積み重ねを意識しました。
そして、あるとき。
授業後の何気ない会話の中で、彼がポツリと聞いてきたのです。私は今でも印象に残っています。
「先生、大学って楽しいんですか?」
私は即座に答えました。
「めちゃくちゃ楽しいよ」――と。
大学では自分の時間割を自分で決めて、自分の興味あることを自由に学べる。
その気になれば、海外に行ってもいいし、起業だってできる。
“将来の選択肢を広げるステージ”としての大学の面白さを、熱く、でも丁寧に伝えました。
その瞬間、彼の目に明らかな変化があったように感じます。
何かに火がついたような―そんな顔でした。
春・夏・冬などのシーズン講習はフル参加、私の出勤より前に塾に来て勉強、誰よりも時間をかけて学んでいたのが印象的です。
その努力は、高校に入って大きく実を結びました。
いま彼は、定期テストで5位前後をキープする常連に。
そしていま―
私たちは彼と一緒に、「産近甲龍を目指そう」「もっといけるなら関関同立も視野に入れていこう」という話までできるようになっています。
かつて150位前後だった生徒と、です。
この変化を見て思うのは、
**「すぐに伸びなくても、あきらめずに信じて関わることの価値」**です。
結果が出ない時期は、誰にでもあります。
やる気が見えず、何度言っても伝わらないように思える瞬間もあります。
でも、だからといって切り捨ててしまえば、可能性はそこで終わる。
信じて、待って、関わり続けること。
それが、結果として“花が咲く時期”を引き寄せるのだと、この生徒が教えてくれました。
いま伸び悩んでいるお子さんがいても、大丈夫です。
今は見えなくても、その中に眠っているエネルギーを、私たちは信じます。
塾は、ただ成績を上げる場所ではありません。
生徒の人生に、火をともす場所。
私たちは、その火を消さず、最後まで伴走する存在でありたいと思っています!🔥