「なんで勉強しないといけないんですか?」
塾をやっていると、こういう疑問を持つ生徒もいると思います。
「数学なんて大人になったら使わんやん」「英語を使わない仕事に就けばいい」「やりたいこと決まってるから、勉強する意味なくない?」
その気持ちは分かります。
実際、大人になって二次関数を毎日使う人なんて一部です。
古文を使わない人もたくさんいます。
じゃあ、なんで勉強するのか。
今日は塾なので綺麗事を言うのではなく、私と塾長の考えをそのまま書きます。
【塾長の答えは「人脈」】
以前、塾長とこの話をしたとき、
「勉強する理由の一つは、人脈やと思う」と言っていました。
これは結構面白い考えだと思います。
高校、大学と進学していけば、当然ですが周りにいる人間が変わります。
将来経営者になる人。
研究者になる人。
医療の世界に進む人。
大企業に入る人。
起業する人。
何かの分野で圧倒的な結果を出す人。
大学でたまたま隣に座っていた友達が、10年後に一緒に仕事をする相手になっているかもしれない。
もちろん、「良い大学=良い人間」なんて話ではありません。
ただ、どの環境に身を置くかで、出会える人が変わる。
これは間違いなくあると思っています。
勉強は「どんな人たちと出会える環境に行くか」を変える手段でもある。
これが塾長の考えです。
【私は、勉強内容そのものより「受験までの過程」が大事だと思っています】
私自身は、「勉強した内容を将来使うから勉強しよう」とはあまり思っていません。
むしろ価値があるのは、
受験まで本気で頑張った経験だと思っています。
受験って、結構理不尽です。勉強してもすぐに結果が出ない。遊びたい日もある。
スマホも触りたい。眠い日もある。
模試でE判定が出ることもある。
頑張ったのに成績が下がることだってあります。
それでも、
「今日は英単語100個やる」「数学のこの単元だけは終わらせる」「あと1時間だけ頑張る」
と、自分をコントロールして積み上げていく。
そこで身につくのが、
自制心。
継続力。
忍耐力。
生産性。
計画性。
自己分析力。こういう力です。
私はこっちの方が、数学の公式を覚えることより、よっぽど人生で使うと思っています。
社会人になれば、「今日はやる気がないので仕事しません」なんて通用しません。
経営者ならなおさらです。
結果が出ないときに、「じゃあ何が悪かった?」と考えて、また行動する。
受験勉強でやっていることと、実はそんなに変わりません。
【そして、もう一つ。学歴はまだ普通に大事だと思っています】
これを言うと、「今は学歴社会じゃない」「学歴より実力の時代」と言われるかもしれません。
もちろん、学歴だけで人生が決まるとは全く思っていません。
高学歴でも仕事ができない人はいるでしょうし、大学に行かず成功する人もいます。
でも、
「だから学歴なんていらない」まで言ってしまうのは、少し違うと思っています。
現実には、就職活動などで学歴が選考に影響するケースがあります。
どれだけ能力があっても、そもそも書類選考を通過できなければ、その能力を見てもらうところまで行けないこともある。
だったら私は、
持っておいて損のないカードなら、取れるうちに取っておけばいいと思っています。
【「やりたいことが決まってるから大学はどこでもいい」は、本当にそう?】
ここは特に高校生に伝えたいです。
「美容師になりたい」「スポーツ関係に行きたい」
「YouTuberになりたい」「この業界で働きたい」
夢があるのはめちゃくちゃ良いことです。
でも、中学生や高校生の段階で見えているその仕事は、本当にその仕事の全部でしょうか。
SNSで見るのはキラキラした部分が中心です。
YouTubeで見るのも、テレビで見るのも、お客さんとして見るのも基本的には「表側」です。
実際に働いて初めて見える「裏側」があります。
想像以上に給料が低かった。思っていた働き方と違った。人間関係がきつかった。
好きなことだったけど、仕事にすると違った。10年続けるイメージが持てなかった。
そう思う可能性なんて普通にあります。
17歳で決めた夢を、40歳まで絶対に変えてはいけないなんてルールはありません。
むしろ、変わって当然だと思います。
【だから「保険」を持っておいてほしい】
例えば、やりたいことがあって専門的な道に進んだ。
実際に働いてみた。
「あれ、思ってたのと違う」となった。
ここまでは全然いいんです。
そのときに、
「じゃあ別の仕事をしよう」と思ったとして、選択肢が10個ある人と、2個しかない人。
どっちがいいでしょうか。
私は前者だと思います。
ある程度の大学に進んでおけば、方向転換したときに使えるカードが増える可能性があります。
別の業界を受ける。
大手企業を受ける。
資格を取る。
大学院に行く。
違う分野を勉強する。
もちろん大学名だけですべてが決まるわけではありません。
ただ、
「選べるけど、あえて選ばない」
のと、
「そもそも選べない」のは全く違います。
【勉強は、将来の自分の選択肢を減らさないためにする】
私は生徒全員に、
「絶対に良い大学に行け」と言いたいわけではありません。
専門学校に行くのもいい。
就職するのもいい。
起業するのもいい。
夢を追いかけるのもいい。
最終的には自分が好きな道を選べばいいと思っています。
ただし、
「勉強しなかったから、その道しか選べなかった」にはなってほしくない。
「大学にも行ける。専門にも行ける。就職もできる。その中で自分はこれを選ぶ」
この状態にしてほしい。
だから、今は勉強してほしいんです。
15歳や18歳の自分が、30歳の自分の人生まで完璧に予測することなんてできません。
今は絶対にやりたいと思っている仕事を、10年後には辞めたくなっているかもしれない。
逆に、今は存在すら知らない仕事に、将来めちゃくちゃ興味を持っているかもしれない。
そのとき、
「あのとき、もう少し勉強しておけばよかった」と思っても、時間は戻せません。
勉強は、良い点数を取るためだけにするものではありません。
良い大学に入って自慢するためでもありません。
将来の自分が、
「これをやりたい」と思ったときに、その道を選べるようにするため。
そして、
「やっぱり違った」と思ったときに、別の道へ行けるようにするため。
私はそのために勉強するんだと思っています。
勉強は、将来の選択肢を増やすためのもの。
もっと言えば、
今の自分が、未来の自分の可能性を勝手に潰さないためにするものです。
これが、私たちが生徒に勉強してほしいと思っている理由です。





